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対流熱伝達率とは?

対流熱伝達率とは、自然対流や強制対流によって伝達される熱の比率を意味しています。
自然対流の場合、表面付近の流体が温まるにつれて流速が速くなるという特徴があり、熱伝達率を算出する前にまず流れの状態を判断する必要があります。

例えば、垂直平板の自然対流熱伝達計算を行う場合、流れ場における浮力の相対的な影響を示す無次元数である「グラスホフ数」を算出して、流れの状態を「対流なし」「層流」「乱流」の3種類の中から選択します。


グラスホフ数(Gr)を求める式は、次の通りです。

Gr = (gTL^3βρ^2)/μ^2   (g=重力加速度[m/s^2]、T=温度差[K]、L=代表長さ[m]、β=体積膨張率[1/K]、ρ=密度[kg/m^3]、μ=粘性係数[Pa・s])


グラスホフ数の算出結果から、次のように流れの状態を判断します。

Gr < 1×10^5 →対流無し
1×10^5 < Gr < 1×10^9 →層流
Gr > 1×10^9 →乱流


流れの状態が「層流」または「乱流」と判断された場合、動粘度と温度拡散率の比で熱伝導に関する無次元数を表し、流体の熱拡散の状態を示す値であるプラントル値(Pr)を、次の式で算出します。

 Pr = cμ/k  (c=比熱[J/kg・K]、μ=粘性係数[Pa・s]、k=熱伝導率[W/m・K])


その後、対流による熱伝達と液体の熱伝導の比率を示した無次元数である「ヌセルト数(Nu)」を、次の式で算出します。

層流:Nu=0.56×(Gr×Pr)^(1/4)
乱流(気体):Nu=0.12×(Gr×Pr)^(1/3)
乱流(液体):Nu=0.17×(Gr×Pr)^(1/3)

対流なしの場合は、Nu=1となります。

以上の値を求めた後、熱伝達率(h)を「h = Nu×k/L」の式に基づき算出します。
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