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自然対流と強制対流の違いとそれぞれの特徴

主要な熱伝達の経路である「対流」は、「自然対流」「強制対流」とに分けられます。

自然対流とは、高温の流体や空気が低温の流体や空気を押しのけて上昇する際に発生する流れを指し、強制対流とは、機械などを使って空気や流体を移動させる際に発生する流れを意味します。
 
例えば、室内暖房設備の場合、暖房装置によって周辺の空気を暖め、その暖められた空気が壁を伝わって上昇し、天井などを伝わって徐々に部屋を暖めるもの(ストーブ、遠赤外線ヒーターなど)が自然対流暖房で、部屋の上部から温風を吹き出すことで部屋の温度を上昇させるもの(エアコン、石油ファンヒーターなど)が強制対流暖房です。

自然対流暖房には、気流感が少なく音も静かであるという特長がありますが、部屋の湿度を低下させる、暖房の効きが遅いなどの短所もあります。

それに対して強制対流暖房は、暖房の効きが早く、急激な温度変化にも対応できますが、気流感が気になったり、部屋を乾燥させホコリを舞い上がらせる、音が気になるといった短所も有しています。

液体の例を挙げれば、ガスコンロで鍋に入れた水を沸かすと底から徐々に温度が上がっていくのが自然対流で、ポンプや攪拌器を使って強制的に液体の流れを循環させて全体に熱が伝わるようにするのが強制対流です。
ちなみに。自然対流を「自由対流」と呼ぶ場合もあります。



対流熱伝達率の求め方は、自然体流と強制対流で異なり、自然対流の場合の無次元熱伝達率(ヌッセルト数=Nu)は、グラスホフ数(Gr)とプラントル数(Pr)の積の関数となり、強制対流の場合のヌッセルト数は、レイノルズ数(Re)とプラントル数(Pr)の関数となります。   
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